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映画「海賊とよばれた男」鑑賞

2016/12/26

映画

大ヒットした「永遠の0」の山崎貴監督と主演の岡田准一が再びタッグを組んだ映画
「海賊とよばれた男」
を観てきました。

 

冒頭シーンは「永遠の0」を一瞬彷彿とさせますが、今回は特攻隊員ではなく、実在した出光興産創業者の出光佐三がモデル。そして、2013年本屋大賞の原作でも印象に残った旧日本海軍の石油タンク底さらえの過酷さは映画でもたっぷり描かれています。

 

石油がまったく足りない戦後の日本、それらのタンクに確かに油は残っているとはいうものの、それは汚泥の中のわずかばかりの油だったのです。ポンプも機械も使えず、強烈な異臭と有毒ガスが溜まる
十メートルという深さの真っ暗なタンク底へ、社員たちは一人十分交替で命綱を付けて降りていくのです。

 

原作の中で、そんな仕事を請けた鐵造(佐三の役名)を見て社員の一人は、ただ驚きます。
「命知らずの海軍さえも手を出さなかったタンクの底に降りようと考えるとは。
しかも、そのことで見返りさえ期待しない。日本中が自分のことしか考えていない中にあって、
いったい何という人なんだ、この人は。」

 

そんな苦役をもいとわない日本人の労働に対する一生懸命さが今の日本を作り上げてきたのですね。「石油は国の血液や!」と叫ぶ鐵造の言葉に、今では当然のように使っている石油がもしまた輸入できなくなったら、と改めて考えさせられます。

 

またこの映画には私の好きな演技派俳優たちがこれでもかと出演しているのもたまりません。小林薫、國村隼、近藤正臣、堤真一、吉岡秀隆、染谷将太、浅野和之、野間口徹、光石研、鈴木亮平などなど。特に小林薫と國村隼は燻し銀の素晴らしい演技。そして鈴木亮平はさすが英検1級、完璧な英語を披露しています。

 

さてこの映画のクライマックスと言えば、やはり「日章丸事件」を再現したシーンでしょう。
山崎監督お得意のVFXを駆使して、日章丸が英国海軍の駆逐艦と真っ向から対峙する場面は
当時の乗組員たちの緊張が時を越えて伝わってくるようでした。

 

上映時間は2時間半ですが、長さを感じさせませんし、社員たちから慕われた佐三の生涯を共に生きているかのようでもあり、全編通して男たちが必死に頑張っている姿を見て知らず知らずに涙が頬を伝っている、そんな映画でした。(H.S)