お餅つき
2020年06月23日
昔はどの家でも行われていた年末の餅つきもすっかり珍しい光景になりましたが、福井市郊外にあるこの家では今も毎年、家族総出で餅つきを行っています。
昨年末の餅つきは12月30日の朝、庭の一角にある納屋の中で始まりました。
この日家族で手伝いにやってきた親戚の子供(小学校低学年)も、途中で少し杵を持たせてもらいます。まだ十回程しか杵を振れませんが、数年で一人前のつき手になるでしょう。
餅つきの間、部屋の外では次々と材料のもち米を蒸篭(せいろ)で蒸します。
もち米が蒸し上がると臼に移して餅つき開始。でも始めは米が飛び散らないように、すりつぶすような動作の「小づき」をして米に粘りを出します。
ある程度粘りが出てきたら「本づき」。ペッタンペッタンという音が響き、いわゆる餅つきの風景になります。
杵でつくのが大変そうに見えますが、本当に難しいのはこの「臼とり」。餅が均一に仕上がるように周りを折りたたんだりひっくり返したり、これを杵が振り下ろされるまでの合間に素早く行います。つき手と臼とり役がお互い呼吸を合わせて一定のリズムを保つのがポイントです。
米の粒が消え、なめらかに餅がつき上がると、小さくちぎって家族みんなできれいに丸めます。
最後は「つき入り」と言って、水分を多くし、つく回数も増やして通常より柔らかく仕上げた餅をちぎって直接、餡などの入った器に投入し、出来立てを頂きます。味付けは醤油とかつおぶしを加えた大根おろし、つぶ餡、きな粉の3種類。子供も含めて一番人気があったのは「おろし餅」でした。