北陸・福井 冬の水ようかん食べ比べ会 2016年 Vol.3-4, Part2 「観賞」
2020年06月23日
オープニング・トークが終わると食べ比べの開始。長テーブルに並んだ水ようかんの前に小皿を持った参加者が集まります。油断すると自分がどれを食べたのかわからなくなるので、取り方に工夫が必要です。
和菓子/洋菓子を問わず、水ようかんのようにパッケージ込みで販売される生菓子は珍しいと語るマイクさんの信念は、パッケージの外箱だけではなく水ようかんの表面を覆う乾燥防止シートのデザインや添付された木やプラスチックのさじも含めて観賞対象であるということ。「食べ比べ会」は味のランク付けをする場ではありません。
参加者に配られるレジュメには「本日のお題」との記述が。この日のお題は「あなたは、水ようかんはどのように数えますか?」というわけで、食べ比べをしながらマイクさんから参加者に水ようかんを数える「単位」について質問がありました。そこで一番多かった答えが「枚」。福井の水ようかんの特徴である平たい箱に生地を流し入れて固める「一枚流し」という作り方が自然に反映されている形ですが、この一枚流しは「江川」によって50年前に始められたのだそうです。それ以前に同じ質問がされたら違う答えになったんでしょうね。
なお、このお皿の上に水ようかんと一緒に載っているのは箸休めの塩こぶ。甘い水ようかんを食べ続ける皆さんに好評でした。
和菓子には和服が似合います。実はこの日撮影させていただきたいとお願いしたら、それならということでわざわざ和服で来られたお二人。
全国的には冷やして食べる夏の菓子と考えられている水ようかんですが、羊羹と違って糖度が低く保存が効かないので本来冷蔵庫の無い昔は全国どこでも冬の食べ物だったというお話を聞いてなるほどと思いました。つまり福井ではその伝統がそのまま生きているということ。では、どうして福井だけでそれが伝統として残ったのかは、残念ながら聞きそびれました。
ひととおり食べ比べが終わっても水ようかん談義が続きます。福井の水ようかんの特徴の一つに材料に黒糖を使うというのがありますが、同じ福井県内でも京都に近い小浜に行くと黒糖は使われないとのこと。
会場となった福井県立美術館に併設の喫茶室「ニホ」。通常の営業時間は9:00-19:00ですが、この日は19:00から第二部の開始。外はすでに真っ暗です。