ダム用語
このページの解説は主に一般財団法人日本ダム協会の「ダム辞典」を参考にしています。
ダムの構造
重力式コンクリートダム | コンクリートで作られ、水圧をダムの重量で支える形式のダムです。ダムの重量を支える基礎岩盤が堅固な場所に建設されます。 |
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アーチダム | アーチ式コンクリートダムとも呼ばれ上空から見た形がアーチを描いています。アーチによって水圧を両岸の岩盤に伝えることにより支える型式のダムで、コンクリートの使用量が少なく済むので重力式コンクリートダムに比べて経済的ですが、両岸に堅固な岩盤が必要です。 |
重力式アーチダム | 重力式コンクリートダムとアーチダムの両方の特性を備えたダムです。国内に12例という珍しい形式で、そのうち3例が福井県にあります。 |
ロックフィルダム | 岩石や土砂を積み上げて建設する型式のダムです。 |
部分の名称
堤体(ていたい) | ダムの本体のことです。 |
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天端(てんば) | ダム堤体の頂上部分のことで、道路や歩道となっていることが多く、国道が通っている例もあります。 |
クレスト | 堤体の最上部をクレストといいます。 |
洪水吐(こうずいばき) | 洪水時にダムの安全を確保する目的で設けられる放流設備の総称です。 |
常用洪水吐(じょうようこうずいばき) | 常用と非常用の2種類の洪水吐を持つダムの場合に、通常の洪水調節に使われる洪水吐を常用洪水吐といいます。 |
非常用洪水吐(ひじょうようこうずいばき) | 常用洪水吐に対する言葉で、常用洪水吐の放流量を上回る部分を放流する洪水吐をいいます。 |
減勢工(げんせいこう) | ダムから流下する水のエネルギーを弱めて浸食による被害を防ぐため設けられる構造物で、「跳水式」「スキージャンプ式」「自由落下式」があります。 |
放流装置
ゲート | 洪水吐などダムから水を放流するための設備で開閉や流量調節をするための装置です。 |
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ローラーゲート | 開閉用ゲート(スライドゲート)の板にローラーが付いて上下に開閉する構造のゲートです。高い水圧がかかっても容易に開閉が可能で、ダムの洪水吐など高い水圧がかかる箇所ではローラゲートかラジアルゲートが一般的です。 |
ラジアルゲート | テンターゲートともいいます。表面が円弧状で、その円弧の中心を軸として回転することによって開閉する構造のゲートです。 |
ハウエルバンガーバルブ | 先端に固定された円錐状の部分(コーン)により水流を分散する型式のバルブで、ダムの放流管に広く用いられています。コーン外側の筒(スリーブ)を移動することによって開閉を行います。 |
ゲートの位置、その他
クレストゲート | ダムの堤頂部(クレスト)に設置されるゲートです。一般に異常洪水時にダム天端からの越流を防ぐための非常用ゲートとして使用されます。 |
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コンジットゲート | 堤体中の下部に設置される放流管ゲートです。クレストゲートとコンジットゲートの両方を備えたダムがよく見られ、それぞれ非常用洪水吐、常用洪水吐として使われます。 |
オリフィスゲート | 堤体の上下の中間に設置されるゲートです。堤体の下部にコンジットゲート、中段にオリフィスゲートといった組み合わせがよく見られます。 |
揚水式発電 | 通常地下に造られる発電所とその上部、下部に位置する2つの貯水池(上池・下池)から構成されます。昼間のピーク時に上池に貯められた水を下池に落として発電を行い、下池に貯まった水を電力消費の少ない夜間に上池にくみ揚げます。 |