千二百年の伝統を今に伝える「糸崎の仏舞」
2019年04月23日
1260年を超える歴史があると伝わる国の重要無形民俗文化財「糸崎の仏舞」(いとさきのほとけまい)がこの4月18日、福井市糸崎町の糸崎寺境内で奉納されました。動画は以前行われた際の様子です。(YouTubeチャンネル: 福井市文化遺産の動画より)
御詠歌の奉納は地元ゆかりの女性に限られています
白い面の「角守り」(かどまもり)は児童ら2人が務め、舞台の角で見守ります
青い法衣に金色の面の「念菩薩」は金色のハスの花のつぼみを受け取り、喜びを分かち合う舞を披露
します
地元保存会によると「仏舞」と称される伝統行事は全国に点在するものの、本堂から石組みの舞台へ
独特の足取りで入場し退場するなど一連の儀式を残すのは糸崎だけということです。
黒い法衣に金色の面をかぶった舞人(まいにん)が、太鼓や鉦(かね)の音に合わせて伝統の舞を披露。散りゆく桜の花びらの中での優美な空間となりました。
糸崎の仏舞は756年、同寺に千手観音像を安置した際、大勢の菩薩が現れて、舞で喜びを表現したのが始まりとされています。現在は地元住民でつくる保存会が2年に一度、4月18日に奉納。雅楽に合わせ、舞人が本堂から石の舞台に入場、一番から三番太鼓まで輪になってゆっくり回りながら舞いました。ゆったりしたその舞は、仏たちの優雅な姿を思わせます。