福井県立美術館「ランス美術館展」鑑賞
2016年12月14日
久しぶりに美術館へ行ってきました。
前々から楽しみにしていた 「ランス美術館展」を観るためです。
ランスとはフランス北部シャンパーニュ地方にある古都の名前。
「ランス美術館」はそのランスの中心部にあり、シャンパーニュで財を築いた
富豪たちからの寄贈品を基に、1913年に開館しました。
なぜ楽しみにしていたかと言うと、もう十数年前になりますが、
ランスを訪れたことがあるからです。
シャンパーニュのメゾンを訪ねてみたくて、パリから足を延ばしました。
街に着くまでに目に入るのはなだらかな丘陵地帯に延々と広がる葡萄畑。
陽の光を浴びるその風景はただ美しいだけでなく、
フランスが農業大国であることを改めて実感させるものでした。
シャンパーニュ地方の葡萄畑
お目当てのメゾンはモエ・エ・シャンドンとパイパー・エドシックを見学。
両社とも見学コースが整備されており、製造工程をしっかり学べます。
ランスは世界遺産のノートルダム大聖堂がその威容を誇る静かな街でした。
パリと違ってのんびりしているランスでは、レストランで食べた食事もとても美味しく、
対応してくれたギャルソンも感じがよくて、旅のいい思い出になっています。
さてこの展示会での目玉は何と言っても藤田嗣治でしょう。
ランスは、藤田が洗礼を受け、レオナール・フジタとなり、
かねてからの夢だった礼拝堂建築を成し遂げたゆかりの地なんですね。
この藤田嗣治を含む計70点が並ぶ「ランス美術館展」。
私はバルビゾン派と呼ばれる風景画が好きで、今回の展示の中では
カミーユ・コローの「川辺の木陰で読む女」がお気に入りです。
会期は12月25日(日)まで。
何かと忙しい師走ですが、今年の締めくくりに普段なかなか観られないフランス絵画に囲まれて
しばし優雅なひとときを過ごすのはいかがですか。(H.S)