漆と写真のコラボ展「漆黒と夜空」
2020年03月10日
福井市中心部にあるギャラリー「ふくい工芸舎」で漆と写真の展示会「漆黒と夜空」が開かれています(3/6~3/22)。毎年この時期にこの場所で展示会を開いている越前漆器のTRADと、福井市自然史博物館の学芸員で天文の専門家・加藤英行さんによるコラボ展です。まず壁面に並んだ加藤さんの写真を見て「福井でこんなにたくさんの星が見られるのか」と驚きました。
ふだん様々なジャンルの工芸作家による展示会が開かれているこのギャラリーでも工芸と写真のコラボというのは珍しい試みで、TRADの蓑輪さんによると初めはとまどいもあったそうです。でもこうして出来上がった展示を見ると、星空の写真と文字通り漆黒の器がとても自然に調和していて、どうして今までこのような展示がなかったんだろうと不思議な気がするほどです。
途中、写真を見に来た人が漆器を買い求めていくという光景を見ました。従来の工芸ファンとはまた違った層の人たちに漆器と出会ってもらういい機会になり、また漆器も星空をテーマしてその魅力を一層高めるという素晴らしい相乗効果が生まれているようです。新鮮な発見のある展示会でした。
T.S
星の写真と星座の漆器
福井市、大野市など県内各地で撮影された星空の写真の下に、漆黒と朱の漆器が並びます。
星座の汁椀
星座の蒔絵が施された漆器。こぶりな汁椀とカップがあります。誕生日の星座も揃っています。不思議な気もしますがこのような絵柄はこれまでなかったのだとか。
麻那姫湖の天の川
大野市の麻那姫湖で撮られた星空の写真。まるで高い山の上で見るような星の数に圧倒されます。会場中央の展示台に敷かれた写真はこれを大判プリントしたもの。
星を映す漆器
無地のオーソドックスな漆器の表面に星が映って幻想的な景色を見せています。
スターランドの夜空
いつも私がドローンの練習に通っている大野市「スターランドさかだに」で撮られた写真がありました。