映画「アルキメデスの大戦」鑑賞
2019年07月28日
「永遠の0」や「海賊とよばれた男」で知られる山崎貴監督の新作 「アルキメデスの大戦」を見てきました。
主人公である天才数学者は架空の人物ですが、他の登場人物の多くは実在していました。数学者の彼にかかると、世の中に存在する物すべてが数式で表現できてしまいます。「数字は嘘をつかない」という絶対的真理、それが彼にとっての正義でもありました。
しかし、正義の解釈は人によって違うもの。会議の場面でも、「国を守る」という論点がどんどんずれて、あげく軍人同士のプライバシーをめぐる個人攻撃になってしまうところは思わず苦笑してしまいます。これって今の日本でもよくあることですよね。
舘ひろしさん演じる山本五十六司令長官が、ダンディでとにかくカッコいいです。山本五十六はこれまで三船敏郎さんや役所広司さんなど錚々たる俳優が演じていますが、舘ひろしさんも、山本五十六の知性や人間性、そして軍人としての底知れぬ業をとても丁寧に演じていると思いました。
映画終盤、平山造船中将が言った「日本人は負け方を知らない」「最後の一人になっても戦おうとするだろう」という言葉が、この映画でのキーワードかもしれません。世界最大級の戦艦、大和。日本人の最高の技術と美学で造り上げた悲劇の戦艦。1945年4月7日、大日本帝国海軍の象徴だった大和は米軍機の猛攻を受け、沈没します。
上映時間の2時間あまり、最初から最後まで息もつかせぬ展開です。それぞれの台詞も今の日本に対してのメッセージが込められている気がして心に刺さります。大和ミュージアムにも是非行ってみたくなりました。(H.S)