11月6日(日)越前町観光連盟主催の「泰澄大師ゆかりの秘仏 特別拝観バスツアー」に同行、
撮影取材をしてきました。このツアーで巡る福井県越前町朝日地区は、泰澄大師ゆかりの寺社・旧跡が数多くあり、平安・鎌倉期の仏像の宝庫なのです。戦国時代の争いや明治時代の廃仏からも生き延びて
今なお住民たちの信仰で守られている秘仏をこの日は特別に拝観させていただきました。
※泰澄大師は飛鳥時代(7世紀末)、現在の福井市麻生津(あそうづ)に生まれました。
神童と呼ばれた大師は11歳の時、夢のお告げで越前町の越知山大谷寺に登り、苦行難行の後、
ついに仏の教えを悟ったと言われています。その後36歳の時に霊峰白山を開山。
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朝日観音福通寺 木造 千手観音菩薩立像(鎌倉時代)福井県指定文化財
頭上に十一面を頂き、四十二本の手を持つ観音様
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福通寺では御朱印もいただきました。
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日吉神社 木造 大日如来坐像(平安時代)有形文化財
神社の拝殿に大日如来像があるのはめずらしいのですが、
元々は上記の福通寺にあったと言われ、御開帳の時には福通寺まで
大人十人以上で担いで里帰りするそうです。
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八坂神社 木造 十一面女神像 (平安時代)
現在、ごらんの通り福井市立郷土歴史博物館「福井の仏像」展に出張展示中
この写真は博物館で特別に許可を得て撮影
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八坂神社には「延命水」と呼ばれる湧水も出ています(北陸の名水百選)
京都の八坂神社と同じく「祇園祭」が7月14日行われるそうです。
とても風情ある祭りとのこと。行ってみたいですね。
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1300年の歴史を誇る北陸屈指の古刹、越知山大谷寺の本堂
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大谷寺の敷地にあるこの九重塔は泰澄大師の墓と伝えられています。 国指定文化財
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浄勝寺へ向かう階段
浄勝寺第十三世の住職、上野丹山は江戸時代後期を代表する文化人でした。
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浄勝寺敷地にある長屋門
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長屋門を出ると目の前に里山の秋の風景が広がります。
ツアーには県内のみならず、県外からのお客様もいて、大阪から一人で参加していた女性は、
ネット検索でこのツアーを知ったそうです。地元の大阪にもまだまだ知らない仏像がけっこう
あるんですと話していました。
案内役の福井市立郷土歴史博物館の藤川学芸員によると、仏像そのもののパワーがあまりにも強い
ため、人々がその強すぎるパワーを浴び続けないよう制御するため扉を閉ざして秘仏にしたとのこと。
その理由に目から鱗が落ちるようでした。
来年もこのツアー開催されるようですから、
晩秋の一日、ぜひ福井の秘仏に会いに来てみませんか。(H.S)