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映画 「沖縄 うりずんの雨」 鑑賞 

2017年01月15日

映画

昨年12月、沖縄県名護市沖でのオスプレイ大破のニュースには「やっぱり起きてしまったか…」と大変落胆しました。以前、米空軍嘉手納基地「アメリカフェスト」(一般開放日)の際に基地を訪れ、展示してあるオスプレイに乗り込んだことがあった私は、オスプレイに関して多少なりとも思い入れがありました。基地で目の前にしたオスプレイはただただ大きく、ものすごい威圧感です。「こんな巨体が
ヘリコプターのように垂直に離着陸できるの?バランスは取れるの?」無知な私は素朴に疑問を感じ
まくりでした。そしていざ機内に乗り込むとモニターの映像が、オスプレイがいかに素晴らしい機能を兼ね備えた夢のような航空機であるかを流し続けているのでした…。 

 

さてこの事故の少し前に話は遡るのですが、福井市の映画館「テアトルサンク」で「沖縄うりずんの雨」の上映会が行われました。これは昨年、宮下奈都さんと共に「福井新聞文化賞」を受賞した自主
映画サークル「みに・キネマ・福井」が企画したもので、日本への留学経験もある米映画監督ジャン・
ユンカーマンによる長編ドキュメンタリーです。同作プロデューサーの山上徹二郎氏は1986年、32歳の時に映画製作会社を立ち上げ、沖縄をテーマにした映画を作り続けているのです。
上映後は山上氏のトークショーもありました。

 

 

映画の中では、沖縄の地上戦を実際に戦った元日本兵や元米兵も出演して、凄惨をきわめた自らの体験を話します。映画を観ながら、人の命がいとも簡単に奪われてしまう戦争という愚かしい行為に、私は今一度向き合わざるを得ませんでした。また1995 年に沖縄で起きた米兵少女暴行事件の犯人の一人が出演してインタビューに答えていることも驚きでした。主犯格の男は米国に戻ってからも女性を暴行、そして自殺。そんな凶悪な人間でさえも受け入れざるを得ない沖縄を取り巻く理不尽さに改めて胸が
詰まります。

 

今回の上映はサークル「みに・キネマ・福井」のちょうど100回目の上映会でもありました。会では、地方ではあまり劇場公開されない作品をジャンル問わず紹介したいという思いで活動を続けています。今年、機会があれば一度上映会に足を運んでみてはいかがでしょうか。(H.S)

 

※「うりずん」とは潤い初め(うるおいぞめ)が語源とされ、冬が終わって大地が潤い、
草木が芽吹く3月頃から、沖縄が梅雨に入る5月くらいまでの時期を指す言葉。
沖縄地上戦がうりずんの季節に重なり、戦後70年たった現在も、この時期になると当時の記憶が甦り、
体調を崩す人たちがいる。(映画「沖縄 うりずんの雨」公式サイトより)