NHK「スーパープレゼンテーション」~長生きの秘けつとは?~
2018年03月01日
NHK Eテレ「スーパープレゼンテーション」はTEDカンファレンスのプレゼンを厳選して放送している番組です。私も興味のあるテーマだと時々見ています。
先週は発達心理学者スーザン・ピンカーが「健康で長く生きる秘けつ」というテーマで話していました。キーワードは「ブルーゾーン」。ブルーゾーンとは、世界にいくつかある、長寿の人の数が飛びぬけて高い地域を指した言葉です。ちなみに日本にも一カ所ブルーゾーンがあります。沖縄です。ブルーゾーンは2005年のナショナルジオグラフィックのプロジェクトによるものですが、残念ながら現在、
沖縄県民の平均寿命は低下の一途をたどっています。
スーザン・ピンカー(NHK「スーパープレゼンテーション」番組サイトより)
そのブルーゾーンの一つ、イタリアのサルディーニャ島は100歳を超える人の比率が何とイタリア本土の6倍、北米の10倍です。スーザン・ピンカーによると、それは島民の楽天的な性格や食べ物とは関係がなく、人と人との関係が密接で、じかに会って交流することが多いからだそうです。
またプレゼンの中ではこんなデータも紹介されていてとても興味深かったです。
【死亡する可能性を最も減らした要因は何か?】
☆ では「低い要因」からいきます。(つまり死亡することにあまり関係ない順)
10.きれいな空気
9.高血圧の治療
8.体重が重いか軽いか
7.運動
6.心臓のリハビリ
5.インフルエンザの予防接種
4.禁酒
3.禁煙
2.親しい人がいるか
1.社会的統合
運動よりインフル予防接種の方が長生きに効果ありというのは意外でしたが、堂々のトップは「社会的統合」。これは日々の活動でどれだけじかに人と交流があるかという意味です。それはソーシャルメディアでつながっていることとは違うそうです。メールなどではなく、じかに顔を合わせることで神経伝達物質が放出されて、ワクチンと同じように人を守ってくれると言うのです。
となるとやはり「孤独」というのは長生きにとっては大敵なのでしょうか。プレゼンの中では、話し相手が一人もいないという人が今や人口の4分の1もいるとも言っていました。そういえば、イギリスのメイ首相はこのほど「孤独担当相」を新たに任命したとか。
人と人との直接的な交流が認知症の発症率を低くして、免疫を強化、長寿の可能性を高めるというのですから、これは日本としても本腰を入れて取り組むべき課題かもしれませんね。(H.S)