鬼師(おにし)
2016年02月21日
先日京都に行った際、ふと目に留まったお寺の屋根の装飾。これは福勝寺ですが、瓦屋根の四隅に小ぶりの獅子がいます。
かと思うと別の寺では桃だったり、
ひまわり?
どれも屋根の四隅に半球状の瓦があってその上に載っています。帰って調べたら「留蓋(とめぶた)」という、元々防水のために置かれた部材で、そこに魔除けの装飾が施されたということです。
何でこれまで気が付かなかったんだろう?とも思いましたが、京都は寺が近いですね。ちょっと路地を歩いても道の両側に次々に現れるので、目についたのかもしれません。
留蓋と鬼瓦がセットになって睨みをきかせています。
鬼瓦にも一つ一つ表情や形の違いがあって、他にも良く見ると瓦屋根っていろんな意匠が凝らされているんですね。写真を撮り出したらハマりそうです。
福井の作家、水上勉ゆかりの瑞春院の鬼瓦には嘉永二年(1849年)と刻まれていました。作家のポーや、作曲家のショパンが亡くなった年。明治になる20年前…でもこの鬼瓦の造形には意外な新しさを感じます。
ところで鬼瓦を作る作家のことを鬼師(おにし)と呼ぶそうで、陰陽師のような雰囲気の語感ですが、福井にも現代に生きる鬼師がいました!
T.S