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90歳の現役絵本作家 かこさとし 

2016年10月26日

先日テレビで、かこさとしさんの特集をしていました。
かこさとしさんは1926年福井県武生市(現・越前市)生まれ。
これまでに書いた作品は600を超え、絵本作家としては日本一多いと言われています。
今も一日7時間以上机に向かうというかこさん。
親子二代で読み継いでいるという読者も多いのではないでしょうか。
なかでも「だるまちゃん」シリーズは累計650万部、「からすのおみせやさん」シリーズも
累計280万部という隠れた大ベストセラーなのです。

 

自然科学をテーマにした作品も多く、一冊の絵本を作るのに驚くほど調べ上げています。
かこさんが、子ども向けだからといって決して手を抜かないのは、子どもの興味や関心が
いかに多様で深いかということを知ってるからだと言います。
戦時中はパイロットをめざして戦争に加担しようとした自分の間違った考えを心から悔やみ、
これからの子どもたちには自分のように間違った考えを持たず、自分で自分の周りのことを
判断できる子になってほしいという願いを込めて作品を創り出しています。

 

かこさん自身が語る話を聞いて思わず私も読んでみたくなり、早速図書館で何冊か借りてきて読んで
みました。子どもだけでなく、大人もつい夢中で読んでしまう、そんな魅力がかこさんの絵本には
詰まっていました。(H.S) 

 


『だむのおじさんたち』
かこさんが最初に手がけた絵本。
私の好きな一節 ― 
「おじさんたちのことばはらんぼうです。らんぼうで、こわくて ― やさしいです。ゆきにも、かぜにも、ふぶきにもあらしにも、はたらくおじさんたちはまけません。なきべそなんか、かきません。」

 


『かわ』
川が山の小さな流れから始まり、やがて海になるまでを連続して俯瞰しているような気分になれる、
壮大でいて緻密な絵本です。先日、絵巻物風の新装版が出版されたばかりです。 

 


『矢村のヤ助』
かこさとしさん米寿記念の出版で非売品ですが、全国の図書館で読むことができます。
山に囲まれた村の畑でせっせと働くヤ助。 年老いたおっかさんと二人で暮らすヤ助。
そこに現れたのは….。そして、最後は涙なくしては読めませんでした。
数年前に読んだ『陽だまりの彼女』のラストもちょっと思い出され、いとしくも胸が切なくなる
のでした。