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『禅、シンプル生活のすすめ』枡野俊明著 

2019年04月25日

今日は、いつも手元に置いて繰り返し読んでいる本の紹介をしたいと思います。著者の枡野俊明(ますのしゅんみょう)さんは曹洞宗徳雄山建功寺の住職でありながら、日本を代表する庭園デザイナーです。

 

枡野さんが禅僧でありながら、なぜ庭のデザインを手掛けるようになったかというと、かつて禅僧は修行を通して会得した心を何かに置き換えようとした、その一つが庭だったからです。たとえば、平面が好きな人は墨絵を描きました。

 

「庭は自然の素材を使っているから、どんどん変化していく、それが禅で言う無常。無常とはとどまっていないということ。この世の森羅万象すべてが少しずつ変化していくし、変化していくことが、私たちの命であり、一生。それを変えたくない、とどめたいと思うから、そこに悩みが生まれて苦しみになるんです。変化をそのまま受け入れると、悩みや苦しみだと思っていたことが、そうでは無くなる。それに気付く場所が庭なんです。そして変化していくことに美しさを見出そうとしたのが日本人なのでしょう」と枡野さんは言います。

 

さて、本の中から一部抜粋してみると…
◆いらないものを捨てる
― 私たちは、物事がうまくいかないとき、「何かが足りない」と思ってしまいがちです。でも、今の状況を変えたいなら、何かを「得る」よりもまず「手放す」ことが先。執着を捨てる。思い込みを捨てる。持ち物を減らす。シンプルに生きるとは、心や体の荷物を捨てることでもあります。手放す・捨てるという行為は、なかなか難しいものです。人との別れがつらいように、ときに痛みをともなうこともあるでしょう。でも、物事の流れをよくし、軽やかに生きたいのであれば、まずは手放すことから始めてください。手放した瞬間、新たに入ってくるのは「豊かさ」です。―

 

捨てると豊かになるというのは矛盾しているようですが、物がないと不安だった今までの自分から一つ上のステージに上がったという自信がついて、心に強さと余裕が生まれるということかもしれません。私も今度の連休には、ふだんできない片付けや掃除をしたいと思います。(H.S)

 


枡野さんが設計したホテルの庭園をラウンジから望む
(写真はセルリアンタワー東急ホテル公式HPより)

 


夜の雰囲気も素敵です
(写真は同上)

 


福井県越前市のネコ寺として知られる御誕生寺の庭園も枡野さんによるもの
(写真は枡野俊明 + 日本造園設計のHPより)

 


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