映画「新聞記者」鑑賞
2019年07月04日
日本ではこれまでなかった気がする、現政権批判というスタンスの社会派映画 「新聞記者」 を見てきました。
映画の題材になっているのは、ジャーナリスト伊藤詩織さんの告発や加計学園問題で、まさにリアルタイムで日本の権力の闇を描いている問題作です。
映画の中で内閣情報調査室の官僚・杉原が言う「僕は国側の人間だ」という台詞を聞いた時は、国側って一体何なのだろう、それに国側と国民側ってそもそも敵なのか、と疑問に思ってしまいました。
吉岡記者の亡き父が残した「誰よりも自分を信じ、疑え」という言葉もとても含蓄があり、映画を見ながら、その意味することを自分なりに咀嚼していました。
吉岡記者を演じているのは韓国人女優のシム・ウンギョンさん。以前見た韓国ドラマでは、妹役がぴったりの明るい女の子といったイメージでしたが、すっかり落ち着いた大人の女性になった彼女の成長が何だかうれしかったです。官僚役の松坂桃李くんと対峙する静かなシーンも印象的で、映画を見終って主演女優が彼女でよかったと心から思えました。
この映画は個人の政治信条関係なく、優れた一本の映画として楽しめるし、平和ボケと言われて久しい日本人にとって、何でも報道を鵜呑みにして思考停止に陥ることが一番危険だと改めて気付かせてくれます。そしてどんな事実であれ、できる限り情報収集をして、まずは自分の頭で考えてみることが大切だとつくづく感じました。(H.S)