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京都の隠れ名所 「金福寺」

2016年04月03日

京都・奈良

銀閣寺から少し北上したところ、詩仙堂の手前近くにある小さな寺「金福寺」。
その昔、松尾芭蕉が訪れて、寺の草庵で住職と風雅の道について語り合ったとか。
時は流れ、今度は与謝蕪村が訪れます。しかし、その庵はすでに荒れ果てて…。
それでもなお近くの村人たちは「芭蕉庵」と呼んでいたのでした。
そこで、芭蕉を敬慕していた蕪村は、その庵を建て直し、いくつかの句も残しています。

寺の庭を少し上っていったところにひっそりとたたずむ芭蕉庵。

 

そしてこの寺にはもう一人忘れてはならない人がいます。それは、村山たか女(じょ)。
大河ドラマ初回作「花の生涯」のヒロインとなった女性で、井伊直弼の不遇時代を支えた人でした。
しかし「安政の大獄」に加担したことで勤王の志士に捕えられ、
京都三条河原で三日三晩、生き晒しにされるも、女だからということで助けられます。
その後、たか女は尼僧となり、この寺で六十七歳の波乱の生涯を閉じました。

 

また、このような由来を知らなくても、風情ある芭蕉庵や、
秋には紅葉の庭が美しいので一度訪れてみてはいかがでしょう。
京都の混みあう有名スポットとは別世界の静かなひとときがそこにはあります。(H.S)

 


自然の地形を生かした庭から望む寺の本堂。山寺ならではの素朴な味わいがありますね。