映画「フォードvsフェラーリ」鑑賞
2020年01月19日
「フォードvsフェラーリ」 を見てきました。この映画は、1966年に実際にあった、フォードとフェラーリのル・マン24時間耐久レースでの対決がクライマックスとして描かれています。しかし何と言っても、マット・デイモンとクリスチャン・ベイル演じる、人間としても素晴らしい二人、シェルビーとマイルズの信頼関係がかっこいいです。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、レース終盤のマイルズの決断には号泣必至!
極限のスピードに達するとき、「車の重さは消え、肉体だけが残る。お前は誰なんだ」というシェルビーの独白と共に映し出されるレース中のマイルズの横顔。その境地は彼らだけが知り得る世界なのでしょう。その実存的な問いにふと、24時間耐久レースは千日回峰行に似ている気がしました。そしてレーサーは、あたかも満行して悟りを得た僧侶のようにも見えるのです。
ル・マンの過酷なコースを再現するため、何ヶ月も似た場所を探して当時と同じ巨大なコースと観客席を一から作ったそうです。レーシングカーにもカメラを搭載し、俳優の撮影もレースと同じスピードで行ったというのですから、そのリアリティたるや恐るべしです。
映画には、日本でも大ベストセラーになった「アイアコッカーわが闘魂の経営」(1984年出版)の著者として知られるフォード元社長のリー・アイアコッカも登場します。実際のアイアコッカは、昨年7月、映画が公開される4か月前に94歳で亡くなりました。
レーサー対決の映画と言えば、ハント対ラウダ(昨年死去)を描いた「ラッシュ/プライドと友情」(2013)もとても良かったですね。(H.S)