小浜・加茂神社のオイケモノ神事
2016年02月23日
今日は小浜市加茂神社のオイケモノ神事の日でした。火曜日ですが、この神事は旧暦の1月16日に行われると決まっているので日付は曜日に関係なく毎年変わります。木の実などを土に埋め、一年後に掘り出してその発芽状態などから今年の農作物の作柄を占うという珍しい行事です。
埋めるもの(オイケモノ)はドングリ、シイ、トコロイモ、クリ、ギンナン、カヤ、カキ、の7種類の種。古の昔に身近にあった貴重な食物ということなんでしょうね。この行事には日本人の暮らしや信仰の原点のようなものを感じます。個人的には榧(かや)の実が懐かしいなあ…子どもの頃庭にあった榧の実を炒って食べるのが好きでした。
午前10時、これらのオイケモノを「牛の舌」という名前の楕円形の餅(写真奥)と一緒に埋納箱と呼ばれる木箱に納めるところから神事は始まります。
新しい埋納箱は埋める場所まで運ばれる間、本殿と、この「上の宮」で神前に供えられます。上の宮での参拝が終わると「百万石!」という掛け声とともに、集まった人たちに花餅がまかれました。
本殿から上の宮への途中に行われる「弓打ち」。大蛇に見立てたむしろを的に矢を射ます。弓打ちは上の宮での参拝の後、もう一度行われます。
神木の根元から一年前の埋納箱が掘り出されます。その後、写真の右上に見えている新しい箱が同じ場所に埋められました。
判定口上役が、取り出した種を注意深く観察し、社務所一杯に集まっている人たちに向かって力強く判定結果を伝えました。
午前11時半、これで神事は終わりです。ちなみに判定結果は「ことしも豊年豊作」でした。おめでとうございます!
T.S