若泉 敬を知っていますか?
2016年06月15日
私がまだ20代前半で鯖江市に住んでいた頃に話は遡るのですが、
家の近くに大学教授の先生が住んでいて、たまに道でお見かけすると
細身のその人はライン入りのジャージ姿で、とても教授には見えませんでしたが
物静かで、とても穏やかな優しい雰囲気の方でした。
母に詳しく聞いてみると「若泉先生は京都産業大学の先生で、政治家との
付き合いもあるし、アメリカの大使も先生の家にお忍びで遊びに来るんだって」とのこと。
それから時は流れ、若泉先生のことももうすっかり忘れていましたが、
ある日テレビの特集番組を見ていた私は驚きました。
そこには「沖縄返還交渉の密使 若泉敬」とのタイトルが!
当時の佐藤首相は何と若泉敬を交渉の密使としてアメリカに派遣していたのです。
知らなかった!若泉先生がそんなにすごい人だったなんて…。
交渉の詳細についてここでは省略させていただきますが、その後沖縄の人々への自責の念に苦しみ、
そして病にも侵されていた若泉敬は青酸カリで壮絶な自死を遂げます。享年66歳。
先生をお見かけしていた頃は、自分の家のすぐ近くに駐日大使(当時はマンスフィールド氏)が
お忍びで来ていることにわくわくした記憶がありますが、今は若泉敬自身の足跡についてもっと
知りたいと思っています。(H.S)
若泉敬(わかいずみ けい)
1930年 福井県今立郡(現・越前市)生まれの国際政治学者
沖縄返還交渉において、佐藤栄作の密使として重要な役割を
果たしたとされる。(ウィキペディアより)